「生活動線」とは、日常生活する上で人が移動する動線のことです。
この動線を考えず家具をレイアウトすると生活がしにくくなります。
1Kのような単純な間取りでも、最低限の生活動線を考慮
しなければならないと思います。
家具のレイアウトスペースを考えるための動線ですので、
「ベッドに行く」「ソファ座る」「デスクに座る」など
の家具に移動する動線は考慮しません。
その上で、間取り1Kの大切な生活動線を考えてみましょう!
① クローゼットへの動線
一般的な賃貸物件には備え付けのクローゼットがあるかと思います。
クローゼットを使用するうえで生活動線が必要です。
② バルコニー(ベランダ)への動線
「洗濯物を干す」「ゴミを置いとく」など人それぞれ使い方は違うかと
思いますが、バルコニーの生活動線が必要かと思います。
この2つの動線を下の図面を使用して解説していきたいと思います。
賃貸物件のクローゼットは折れ戸の場合が多いかと思います。
折れ戸の可動範囲は必ずスペースの確保が必要です。
またクローゼット前のスペースは移動出来ない家具を
配置する場合は、最小でも600mmの確保はほしいところです。
600mmのスペースは、下のモノを取る時にクローゼットに対して
横向きになって屈む姿勢ができるくらいのスペースです。
クローゼット前に配置する家具は、ベッド等の高さの低い
家具なら、さほど気にならないかもしれませんが、高さの
高い家具などは、かなり狭く感じる広さだと思います。
1Kの間取りでは、バルコニーへの生活動線が家具の
置ける有効スペースに大きく関わってくるかと思います。
人それぞれ、生活によってバルコニーの使い方が違うかと
思いますので、ケースごとに考えてみましょう。
① 毎日のようにバルコニーを使用する。
洗濯物をバルコニーに干す方は、毎日のようにバルコニーに
出て使用頻度が高いかと思います。使用頻度が高い場合、
バルコニーへの動線の幅をしっかり取らないと
日々の事ですので不便を感じるでしょう。
動線の幅としては、バルコニーに出入りする出入り口として、
最大で引違い窓のサッシ1枚分が必要になると思います。
② たまにバルコニーを使用する。
ゴミ出し迄の間、バルコニーにゴミを置かれる方もいるかと
思います。そんな方のバルコニーの使用頻度は、
週1〜2回出る程度ではないでしょうか。
使用頻度が少ない場合、バルコニーへの動線が狭くても、
その時だけですので我慢できる範囲ではないでしょうか。
動線の幅は、最小で350mmは必要かと思います。
350mmのスペースは横向きに歩いてバルコニーに行く
姿勢になると思いますので、毎日バルコニーに出る方
には不便に感じるかと思います。
③ 全くバルコニーを使用しない。
物件によっては、浴室乾燥機があったり、24時間ゴミ出し
可能な物件がありますので、全くバルコニーを使用しない方
もいるかと思います。そんな方は、バルコニーへの動線は
考える必要ないかと思いまので、ベッドやソファなど採光
を遮らない高さの低い家具なら、窓側に自由にレイアウト
出来るかと思います。
上記をふまえ、生活動線と動線幅を考慮して、家具がレイアウト出来る
主な有効スペースをバルコニー使用のパターン毎に描きだしてみました。
この有効スペース内に家具をレイアウトすると生活がしやすいと思います。
図面カラー部分が主に家具のレイアウトが出来る有効スペースです。
斜線部分は、シングルベッド(W1000*L2000)の配置です。
動線は、なるべく直線の方が使い勝手がいいかと思います。
毎日のようにバルコニーを使用する方の家具の有効スペース
たまにバルコニーを使用する方の家具の有効スペース
全くバルコニーを使用しない方の家具の有効スペース
1Kのような間取りでは、ベッドが一番大きなサイズの家具
になるかと思います。ベッドの配置が決まらないと他の家具の
レイアウトも難しいと思いますので、ぜひ、生活動線を
考えたうえでお洒落だけでなく、生活のしやすい家具の
レイアウトを考えてみてはいかがでしょうか。